TAKEDOWN is a thinking-person’s shooter.
(TAKEDOWN: RED SABRE(以下赤サブレ)は考える人のシューターである)
これは赤サブレのHPの紹介文の冒頭の一節である。
そして、続いて概ね以下の内容で昨今のシューター事情を嘆いている。
かつては数多くの種類のシューターが存在していた。
だが近年、回復する体力、一直線のマップ、映画的な演出、
こういう要素があるゲームばかりになりシューターはワンパターン化している。
そして、リアルでタクティカルなシューターはほとんど姿を消してしまった、と。
なるほど、そこで赤サブレの登場である。
公式のジャンル名が「タクティカルミリタリーFPS」としていることからも
それは明らかであろう。
前置きはここまでにして、肝心の赤サブレのゲーム内容について説明する。
このゲームのプレイヤーは民間軍事会社「レッドサーベル」の隊員となり、
テロリストに占拠されたバイオ研究所や貨物船に潜入し、
爆弾の解除や人実の救出、敵の殲滅といった任務を目的とするものだ。
ゲームモードは、ミッション、爆弾解除、敵殲滅の3つである。
マップは勿論一本道で前に進んでいくタイプの作りでなく、マップの中を好きに進むことが可能だ。
武器はメイン1つに拳銃1つ、後はグレネード等を2種類持ち込める。
大した意味はないが、メイン武器は弾の種類や照準等セッティングが可能だ。
味方はミッションモードというモードのみ3人まで連れて行くことができる。
ちなみに本作はシングルでもマルチでも遊べるが、
以下は概ねシングルプレイの記述であるとしてご覧頂きたい。
さて、クソ要素の紹介の前にこのゲームについてもう少し説明が必要なことがある。
それは、このゲームのキャラは味方も含め、
昨今のシューターと比べると極めて貧弱であることだ。
アーマーの種類で撃たれ強さが決まるのだが、
最も硬いアーマーですら耐えられるのはせいぜい2〜3発と言ったところだろう。
ヘッドショットを食らうためと思われるが、一撃で死ぬことも時々ある。
また、上述してるように体力が回復することを良しとしていないため
体力の自動回復はない。当然回復アイテムなどあるわけもない。
貧弱さだけで言えば、昨今のFPSのキャンペーンの最高難易度とほぼ同等位であろうか。
ただし回復ができないため、その分体力面ではかなり厳しいと言える。
また、難易度調整もできないので、常にこの貧弱さでプレイする必要がある。
しかしながら、この点だけであればクソ要素にはならないと筆者は考える。
突撃してクリアできるようであれば、そもそもタクティカルに立ち回る必要はないからだ。
貧弱さはタクティカルに立ち回らせるための設定とも言えるだろうし、
貧弱であれば貧弱なりの対応方法があれば問題ない、むしろそれは面白さに繋がるだろうと思う。
上述の通り、このプレイヤーが貧弱で回復も出来ない仕様からすると、
このゲームでは通常のFPSのような正面きっての撃ち合いは極めてリスキーだ。
後述もするが敵は1体1体の脅威度が非常に高く、撃ち合いになれば1人の敵がこちらの戦力の半分、
つまり2人を1度の戦闘で殺すことなどザラである。
しかも最も簡単であるミッションモードをクリアするにも、
この敵を概ね15体程度始末する必要がある。
撃ち合うということがどれだけリスキーかは、これでご理解頂けただろうか。
そして、その正面からの撃ち合いを極力避けるために
行動の要点としては以下の3点のプロセスが重要になると言えよう。
・敵に見つからないような隠密行動
・その逆に敵を先に見つける索敵
・そこから先制攻撃を仕掛け反撃を許さない敵の制圧
このゲームで死にたくなければ、
このプロセスを繰り返していくことに尽きると言って過言ではない。
そのため、本作のゲーム性としては撃ち合うことに主眼が置かれているのではなく、
攻略ルートの構築であったり、密かに敵の背後を取ったりと言った、
引き金を引く前の戦略に重きが置かれていると言える。
この目指したタクティカルなシューターという方向性自体は悪くない。
問題はここからだ。
結論から先に言うとその目指した方向性が数々のクソ要素のため、
古臭く理不尽なシューターにしかならなかったからである。
筆者がそう考える理由は主に5つあり、
同時にそれがこのゲームの主要なクソ要素でもある。
ではいよいよ本題に入ろう、まず1つ目は敵の性能だ。
このゲームの敵は察知能力と狙撃能力が非常に高い。
どの位高いかと言うと、こちらがスコープで狙撃する位の距離から普通に察知し、
しかも鮮やかにヘッドショットを決めてくることがある程である。
背後から長距離狙撃を試み失敗した時は、索敵行動すらなく振り返り一撃で殺されたこともある。
これはあまりの華麗さに開いた口がふさがらなかった。
だが本当に脅威なのはむしろその察知能力の方であろう。
敵は遠距離から察知してくるだけに留まらず、
距離が近いと壁やドア越しにこちらを察知することもある。
この恐るべき察知能力は攻略においては厄介なことこの上ない。
上述した様にこのゲームは隠密行動からのプロセスを重視する必要があるのだが、
察知されるとこのプロセスがいきなり破綻し、リスキーな撃ち合いが発生してしまうからだ。
というより実際にプレイすると撃ち合いになることが非常に多い。
尚、後述する索敵モードの敵は近距離だと命中率が下がる傾向がある。
これはある意味弱点とも言えるが近距離戦に持ち込めば楽かというとそうでもない。
そもそも撃ち合うこと自体がリスキーなので、
長距離だろうが近距離だろうが原則的に撃たせてはいけないのである。
また仮に楽だとしても、後述するマップがそれを簡単には許してくれないだろう。
続いて2つ目は敵の行動パターンだ。
このゲームの敵は恐らく2種類のモード(状態)がある。
モードはいくつかの要因が引き金となり、切り替わることがあるようだ。
そして配置は概ね4〜5位のパターンから選択されているように思われる。
筆者が名付けたモードの種類と把握している行動様式をまとめると下記の通りだ。
・索敵モード
フラフラと移動しているモードである。
決まった順路を巡回してるのではなくある程度の範囲で自由に動いてると思われる。
プレイヤーを視認した場合、基本的にはその場で攻撃するが、
一旦距離を取って後述する待ち伏せモードに移行する時もある。
それ以外だとプレイヤーを殺したりするとモードが移行することがあるようだ。
初期状態の敵の70%位はこのモードである。
・待ち伏せモード
名前通り待ち伏せている状態。
待ち伏せする場所はある程度決まっているようで、
大抵はこちらが侵入してくる方角か、こちらが移動していく方を向いてガン待ちしている。
こちらからの死角になりやすい場所にいることもよくある。
このモードの時は付近で戦闘が生じてもガン待ちする。
そして、プレイヤーを視認すると即発砲し索敵モードに移行するようだ。
他にもモードが変わる引き金はあるようだが、詳細は分かっていない。
特長として射撃精度は索敵モード時より高いと思われるが、察知能力は低下してる気がする。
初期状態では敵の30%程度がこのモードのようだ。
どちらのモードも脅威であるが、特に脅威となるのは前者の索敵モードの敵である。
どこにいるのか、またどこから来るのかが予測が難しい。
こちらが分かるのはその付近にいる可能性がある敵の数位だ。
しかもこれは、何度も死んだ上での経験則でしかない。
このように動きの予測がつかないため、
この索敵モードの敵は基本的にアドリブでの対応を強いられることが多い。
そのため、このゲームはいわゆる死に覚えでパターンを構築していくのが困難だ。
余談ではあるが、敵は足音がしないので来る時は音もなく目の前に現れるため、大変心臓に悪い。
また、待ち伏せモードの敵は場所を覚えられるだけマシだが、場所は大抵嫌らしい。
ドアを開けた先、死角となる暗がりで彼らは引き金に指をかけて待っている。
場所が分かっていれば迂回すればいいように思えるが、
その場合は必然的に、より脅威度の高い索敵モードの敵と接触する危険性が増す。
その危険を冒す位なら、配置が固定の敵を排除しつつ最短距離を取った方が恐らくは安全だ。
また、脅威度は比較的低いとは言え射撃精度は高いと推測され、
この状態の敵の前に不用意に出ることほぼ確実に死を意味する。
尚、能力の高い彼らであるが、戦闘時の挙動は独特で正直理解に苦しむ動きをする。
発砲してた奴が後向いていきなり逃げ出したかと思うと
突然逃げた敵がUターンして突撃してきたりと、予測できないのだ。
また、撃ち合ってる時に移動する場合、
銃口をこちらに向けて対峙したまま移動するのではなく、
2Dのレトロゲーのキャラのように体と銃口を進行方向を向けてよく移動する。
しかも移動の仕方も棒立ちの小走りなので、これは大変奇異な行動に見える。
そして性能自体は高いにも関わらず妙ちくりんな動きをしてくるため、
動きだけで割とイライラさせてくれるのだ。
3つ目はマップである。
チュートリアル用を除いてこのゲームには5つのマップが存在する。
そのうちまともに遊べそうなのは開けた地形の少ないバイオ研究所のみであろう。
他のマップはいずれも開けた場所が多く、
敵の察知能力と狙撃能力の高さが助長されてボロクズのように殺される。
そもそもこのゲームはHPの紹介文を見ると近距離戦をさせたいようなのだが、
そのゲームの設計とマップの作りが正直噛みあっていない。
バイオ研究所以外は近距離戦どころかその前に狙撃戦を強いられる場所が多いからだ。
ちなみに各マップの構造はともかく、雰囲気自体は割と良い。
しかしそれに気付けるのもうんざりする程のリトライを乗り越え
マップの作りを覚えてからとなるだろう。
4つ目としてはプレイヤーキャラの対応の乏しさだ。
個人的にはここが最大のクソ要素と思っている。
プレイヤーキャラにはしゃがみとリーン(物陰から体を傾けての覗きこみ)というアクションがある。
まずしゃがみについてだか、しゃがむと多少気付かれにくくなる気はするが、
そもそも敵の察知能力が異様に高いため、しゃがんだところで結局察知されやすい。
余談ではあるが、このゲームではしゃがんでもおよそ10cm程度しか視点が下がらない。謎。
続いて、リーンは敵に気付かれる上当たり判定が大きい等、索敵にも安全な攻撃にも使えない。
しゃがみはともかくこちらは機能として完全に死んでいると言えよう。
また、プレイヤーの装備はアーマーにメイン武器と拳銃、それにグレネード2種類のみである。
GPSや煙幕、ナイトビジョンと言ったガジェットはない。
特殊部隊ゆえ地形は頭に叩きこんであるためか、
建物の見取り図すらない。(結果としてプレイヤーは死にながらの現地調査を強いられる)
ここから言いうることとしては、
プレイヤーキャラは敵に対して優位性を構築できる能力や道具はないということだ。
最後の5つ目はチームプレイをできない味方だ。
味方に指示できるのは「ついてこい」と「待て」だけである。
チームを二つに分けて同時突入等の高等なことはできない。何のためのチームなのか。
また、さほど強くもないので割と簡単にやられたりする。
死ぬ以外でキャラの切り替えもできないため、武器を分担することすらできない。
共闘感などは夢のまた夢である。
ただ、攻略する上では不要かというとそんなことはない。
自キャラが死ぬと味方と交代になるので残ライフとしては重要であるし、
敵と同様察知能力は高く、敵を発見するとその旨を教えてくれる。
つまり簡易レーダーとしては有用と言えるのだ。
これは索敵モードの敵に対して多少の保険にはなるので有難い。
しかしながら簡易レーダーとして用いる場合、
自分に随行させることになるので一瞬で全滅する可能性もある。
尚、味方を連れていけるのはミッションモードのみであり、
なぜかこの味方すら連れていけない敵殲滅モード等の厳しさは数倍に跳ね上がると言える。
上記の5つのクソ要素が重なり、
このゲームは隠密行動からの敵制圧が重要なはずなのだが、
敵の察知能力の高さをクソマップが助長することで隠密行動が破綻しやすく、
本来避けるべきリスキーな撃ち合いを度々強制されてしまうことになる。
撃ち合いになれば個の射撃精度が高く数に優れる敵が圧倒的に有利だ。
敵にはランダムに移動してるタイプもいるので攻略はパターン化で対応できる部分も多くはない。
またプレイヤーには隠密行動からのプロセスを有利にするような力も道具もない。
さらに味方もさほど頼りにはならないため、チームプレイも絶望的だ。
能力も道具もなく味方との連携も取れないため、
プレイヤーが敵に対して取り得る手段の幅は極めて狭く、古典的とすら言える。
この古臭さは2013年に発売したシューターとはとても思えない程だ。
ここから導き出されるこのゲームの攻略スタイルとしては、
隠密行動が露見するより早く敵を見つけられるかどうか、そして先手を取れるかどうか、後は運である。
いつ現れるか分からない敵に怯えつつ、視界の端に動くモノと固定配置の敵を早撃ち。
発見され交戦状態になろうものなら、一撃死の恐怖に怯えつつの早撃ちである。
考える必要など何一つない、マップと固定配置を覚えているかどうかと後は早撃ちに尽きる。
分かりにくいかもしれないので一つ具体例を出すと、
例えばある部屋にクリアに必要な解除を要する爆弾が配置されているとする。
部屋に到着し、覗きこむなり道具を使うなりして爆弾や敵等の状況を把握、
そして道具なり能力なり味方との連携なり、
いくつか取れる選択肢の中から最適解を考え、被弾なくクレバーに敵を始末して爆弾を処理。
少なくとも2013年の水準なら、本来はこういうことができるのがタクティカルではないかと思う。
だがこのゲームの場合、部屋に到着したその時点で爆弾があることとそのマップの作り、
待ち伏せモードの敵の人数と数パターンある配置が頭に入ってないとそもそもお話にならない。
敵を倒す選択肢もたまにグレネードを使う程度で、
基本的に敵の配置に合わせて早撃ちする場所が変わるだけである。
それも多少の被弾の覚悟が必要な場合が結構あるのだ。
しかも、この間にも視界の端に索敵モードの敵が写れば即早撃ちでの始末が必要であるし、
視界に写ればむしろ幸いな方で、後ろで待っている味方が殺されてたりするのは日常茶飯事である。
一体これのどこがタクティカルなのだろうか?
タクティカル要素は完全に崩壊してしまったといえよう。
そして本来タクティカル要素と均衡することでゲーム性を構築するはずの貧弱さが、
このゲームの場合敵の脅威に直接晒されるため、本作ではただの理不尽発生装置となるのである。
このように、タクティカルなシューターを目指したにも関わらず、
何故かタクティカル要素を崩壊させ、シビアさのみが残ったこのゲーム、
筆者が思うにその本質としては、これは決してタクティカルなシューターなどではない。
これは、ただただ古臭くて理不尽なシューターである。
ちなみにこの5つのクソ要素についてだが、これらは他のいくつかがなければ、
それ単体としては面白さに繋がるものもあると思う。
しかし少なくとも難易度固定のシングルプレイで、
ただでさえ貧弱な体力設定の上にこれを全部盛るのはさすがにアウトであろう。
脆弱な地盤の上に高層ビルを建てるようなものである。
個人的な推測として、これはCOOPを前提としたバランスをそのまま持ってきてる様に思える。
COOPにしたってこのゲームはかなりシビアな部類に入るだろうが。
結果として発生する難しさについてもう少し触れさせて頂く。
筆者はマップや敵の配置をある程度把握し、
その上でミッションモードのバイオ研究所のマップを1度クリアした。
この状態をある程度は攻略の手法が構築できていると仮定して、
実際ここからどの位の確率でクリアできるのか、という点を検証してみた。
検証の趣旨としては、すでにクリアはしてるので、ゲームにはある程度慣れており、
初見殺しとイージーミスは概ね排除できる状態での純粋な難易度の検証だ。
尚、筆者のゲームの腕前は並程度と考えて頂いて差し支えはないと思う。
検証のデータとしては少なくて申し訳ないが、試行回数としては50回である。
結果としてはクリアは6回、確率としては12%だ。
死亡原因としては、索敵モードの敵の不意打ちが5割、早撃ち対決の敗北3割、
把握できてなかった待ち伏せ等、その他の理由が残り2割と言ったところだろうか。
感想としては、クリアするためにはある程度の戦術を構築するのはやはり必要だ。
だが、その上で結構な運が絡まないとクリアは相当厳しいと感じる。
特に索敵モードの敵の不意の登場からの攻撃には対応に大変苦慮した。
12%という数字の捉え方にもよるだろうが、所感としてはかなり難しいと言わざるを得ない。
そしてその難しさ以上に理不尽さをより濃く感じるものである。
また、これは最もマシなマップとされるバイオ研究所の話で、
こいつは残った4マップ、いわば四天王と比べると明らかに格が下だ。
さらにこの他に味方を連れていけない、よりハードなモードが2つもある。
ミッションモードのバイオ研究所は難易度的に言うと、
通常のゲームのチュートリアル後のステージ1と言ってよい。
だがこの時点で、難しいゲームを許容できる人でどうにか遊べるレベルではないだろうか。
それも、タクティカルな要素を求めていたらもちろんアウトという条件付だ。
そして個人的な所感として、ミッションモード以外の爆弾解除モードと敵殲滅モードは全ステージ、
少なくとも筆者にはクリアは無理ではないかと思う。
というのも、先ほどの検証を含め筆者はバイオ研究所を計100回以上プレイしてるが、
ノーミスでクリアできたことは1度たりとてない。
これが何を意味するかというと、
仮にその100回以上のプレイが爆弾解除モードや敵殲滅モードであっても、
残ライフとなる味方を連れていけない=ワンミスでゲームオーバーであるため、
1度もクリアできていないということとほぼ同義であるからだ。
また、味方を連れていけないことは、残ライフが無いことに加え、
簡易レーダーとしても使えないため、常に敵の奇襲に怯えなければならないことも意味する。
この2つのモードはクリア後のおまけ等ではなく標準で用意されてるものであるが、
少なくとも筆者には、3つのモードの内2つは実質的にプレイに堪えれるものでない。
実際このゲームがどれだけ販売されたかは知らないが、
理不尽さに苛まれながら全滅を繰り返して尚、
この2つのモードを楽しいと思って遊べるような強者はどれだけいるのだろうかと思う。
無論、筆者はその強さを持たない心折れた弱き者の1人である。
ここまでがゲーム内容の主要なクソ要素であるが、
公式でもリアルと謳い購入者からの質問に度々「リアルでハードコアな故意の仕様」、
という表現を用いたこのゲームのリアルさについてもやはり言及したい。
安価ゲーであるので大層なリアルさを求めるのは酷であろう。
2013年発売にしてキャラの影がないのも個人的には許容範囲である。
だが、ドア越しや壁越しで敵を察知するのはリアルだろうか
近くへの着弾のみで、瞬時に敵へカウンター狙撃できるのはリアルだろうか、
すぐ近くで味方が交戦してるのにガン待ちするのはリアルだろうか。
少なくとも一般的なFPSのシングルプレイにおいては、
主に移動と射撃といった極めてシンプルな動作のみで彼我が対峙する以上、
敵の動きはアクションゲーム以上に敵を演出する重要な要素であり、
ゲームの性質や面白さを決める生命線でもあるはずだ。
その最重要とも言える点がリアルでないのなら、
リアルを名乗るのはいかがなものであろうか。
シューターでリアルと言うのであれば、最低限敵の挙動はリアルであるべきではないだろうか。
リアルであることを製品の売りにするなら、そこは押さえるべきポイントであろうと思う。
以上をまとめると、
リアルでタクティカルなシューターを目指した本作であるが、
様々なクソ要素を搭載した結果、タクティカル要素が崩壊、
リアルさについても敵の挙動はリアルというよりはむしろシュールであり、
シビアさだけがリアルでハードコアなシューターになってしまった。
繰り返すが、彼らの言うリアルでタクティカルなシューターとは一体何なのであろう。
どう考えたらコレを“thinking-person’s shooter”などと呼べるのであろうか。
言葉と実体があまりに乖離してるため、お前は何を言ってるんだと言いたい。
そしてこうつけ加えてやりたい。
最近のシューターは確かにリアルさは薄れ、ワンパターンで、
そしてタクティカルな要素もないだろう、
だが、それでもお前のとこのクソゲーよりかは遥かに面白いと。
最後に言動が一致してないこととして、
公式のFAQに「どんなキャラが使えるのか?」という質問に対し、
「様々な国籍や背景の隊員が使える」と回答しているのだが(ひょっとしたら筆者の誤訳かもしれない)
実際は襟に貼れる国旗のパッチが変えられるだけ、
ということも記載してこの選評の結びとしたい。
以上