1964年にオーストリーを代表する作家であるヴォルフガング・アイヒ(1923-2004)によって記され民明書房より出版された、社会問題を鋭く風刺する哲学書。

 哲学書としては珍しく著者の実体験を基盤とした物語調で記されており、第二次世界大戦のドイツを舞台に、ユダヤ人のソイレンと、彼を匿うゲルマン人のグリューンが織りなすゆかいな珍道中として進行し、その過程で遭遇する出来事や困難という体で社会問題を風刺していくという形態をとっている。
 このような珍しい形式となったのは、著者のモットーである「哲学書でも読みやすく」の実現に向けた実験作であるためで、これまでにもSFや教科書風、俳句、風刺画といった書物の形態のほか、声楽、暗号表、狼煙、果ては数学の証明問題など様々な形態で哲学を語る実験をしてきたが、本作をもって事実上ヴォルフガングの作風は固まったとされる。
 著者は当然オーストリーで出版しようとしたが、内容が物議となり、本国であるオーストリーをはじめ欧米各国では出版差し止めの憂き目にあい、何でも出版することで有名な民明書房で出版されたという経緯をもつ。そのため長らく日本語版、中国語版のみの出版であったが、初版出版から50年後の2014年にようやく英語版、ドイツ語版が出版された。
 また偶然ではあるが、初版が出版された1964年は東京オリンピックが開催された年であることから、東京オリンピック開催を記念して映画が製作、開会式において公開されることが発表されている。ただし、第一弾PVのBGMに、ダジャレが好きなプロデューサーにより「帰れソレントへ」が使用されるなど非常に先行きが心配されている。

 異例尽くしの作品であり、また映画はほぼ100%クソゲーだろうなという大方の予測から晴れて大賞となった。











 もちろんこんな作品は存在しない。

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